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おとなカレッジ

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シンガポールの巻

2001年秋、バイト先の友人と突然旅行しようと言う事になった。
彼女とは知り合って間もないけど、何故か気が合う飲み友達だ。以前、私が住んでいた家のすぐ近くに、彼女が住んでいると知ったのがそもそものきっかけ。私は、新しい就職先が決まったので、「忙しくなる前に旅行に行きたいねぇ」と話した事で、安・近・短のシンガポールに決定した。

私も彼女も海外生活は慣れているが、ツアーに参加した回数が少ないために、ほぼ初心者状態だった。2人ともシンガポールは初めてなので、かなりマーライオンに期待していた。(後日、世界がっかり名所の一つだと納得する)

飛行機はノースウエスト航空。よくワーストエアラインなどと言われるが、私は結構気に入っている。マイレージも貯めやすいし、アメリカ線はCAが気さくであまりイヤな印象はない。さすがにシンガポール行きは日本人とアジア人が、ほとんどだった。機内食はいつもベジタリアンミールを頼むのだが、ノースのはイマイチだった。野菜とフルーツ盛り合わせにパン。うーん、ガッカリだ。今までで美味しかったのはキャセイパシフィック!クスクスを使ったラザニア風のメインディッシュは今でも忘れられない。レシピが欲しいくらいだ!

さて、機内では、のんべぇ2人がビールやワインで大いに盛り上がった。タダでお酒が飲めるなんて私達にはたまらない!TIGERビールで何度も乾杯する。ちょうどほろ酔いかげんの頃に空港へ到着。現地時間は午前1時過ぎだったので、もう早く眠りたかった。ホテルは格安ツアーにありがちなボロイホテルだった。宿泊客は外国人がほとんど、倹約旅行をしているヨーロッパやオーストラリアの若者たちが大勢いた。これが、うるさいのなんのって、同じエレベーターに乗ったら、騒ぐ暴れるの大迷惑。ホテルのボーイは、注意するどころか一緒になって笑っている。さすがに眠くてイライラしている私はキレた。「SHUT UP!」と一言怒鳴った。一瞬静かになるが、酔っ払いどもはブツブツ言っていた。全く、どこの国でも酔っ払いはどうしようもないね。

エレベーターを降り、部屋に入ると荷物の整理もそこそこに、シャワーを浴びて速攻ベットへ。翌朝7時頃、現地ガイドからのモーニングコールが入る。まだ寝ていたいけど、仕方なく起きて準備をする。ここがツアーの辛いところだね。この日は、半日市内観光だった。現地ガイドのおじさんは日本語も流暢だった。リバークルーズ(乗船)→ マーライオン(下車)→ マウントフェーバー(下車)→ ボタニックガーデン(植物園、下車)→ オーチャードロード(車窓)→ 昼食→ DFSギャラリアと定番の観光コースを巡る。

シンガポールはゴミを捨てると罰金を取られるだけあって、街中はとても綺麗だ。日本もぜひ見習って欲しいものだ。期待していたマーライオンは、「え、これ?」と思うほど小さかった。あまりに皆がガッカリするせいか、大きなマーライオンもマウントフェーバーにある。途中、ガイドの勧める宝石店に立ち寄った。ここで買いものするなんて、お金を無駄にするようなものなのに、私たちは店員の勧めるジュエリーやチャイナ服、パシュミナなどを購入してしまった。それまでサイフの紐を緩める事のなかった私達は、こんな所で散財する羽目になった。勢いというのは恐ろしいものである。

さて、コースについている昼食は「飲茶の食べ放題」と謳っているにも関わらず、春巻きや餃子など、日本でもおなじみのメニューが人数分しか用意されていない。格安ツアーだから期待してはいけないと思いつつ、楽しい食事が期待はずれだと非常に悲しいものがある。このリベンジは、ラッフルズホテルのハイティーだ!視線で硬く誓い合う私達であった。食後はDFSでお買い物。他のDFSに比べると、品数も少なく値段も高めな気がした。これでフリーツアーは終了。私達は、オススメのオプションでナイトサファリに行く事にした。

ナイトサファリは非常に楽しかった。他では経験できないスリルに満ちていた。ちょうど、TDLのジャングルクルーズで動物園を冒険している感じだろうか。ハイテンションのお兄さんはいないが、野生動物の夜の姿を間近で観察できるので、とても新鮮で面白かった。動物園なのにオリがないのだ!これには驚いた。ゆっくりと園内を回り、おみやげ物屋でサルのぬいぐるみを購入。お腹を押すととてもリアルな泣き声を出すのが気に入った。その夜は大満足でホテルに帰った。

翌日は、オプションでマレーシアの王宮を見に行く事にした。シンガポールから車で数時間でいけるらしい。今回、オプション参加者は、私と友達の2人だけ。それなのに、迎えに来たバスは大きなマイクロバスだった。広い車内に私と友人と日本語のあまり出来ないガイドの3人だけ・・・・。かなり気まずい雰囲気のツアーとなった。ガイドと運転手は中国語で会話をしているので、いったい何を話しているやら検討も付かない。「このままマフィアに売られたりしないよね」「ツアーのオプションだから、それはないっしょ」あらぬ妄想が頭をよぎった。

シンガポールの国境に来ると、ガイドとイミグレで出国手続きをする。ガイドはここでマレーシアのガイドと交代するらしい。乗り込んできたのは、爽やかな青年ガイドだった。日本語も流暢で感じの良い人だった。宮殿を見て、民家を見て、民族音楽を奏でる人たちと写真を撮って、あっという間に時間が経った。爽やかガイドに別れをつげ、またあの気まずい雰囲気のバスでホテルまで戻る。その後のんびりショッピングをしに市内を散策する。夜は市内のフードコートでチキンライスを食べる。特に「おいしぃ~」と言うほどではなかった。ガッカリ。翌日は、いよいよラッフルズでハイティーだ!

今日でシンガポールは最後なので、のんびり思い思いに過ごす事にした。遅めに起きたら荷物の整理などを済ませ、DFSへのシャトルバスに乗車する。DFSで少し時間をつぶし、いよいよハイティーを楽しむためにラッフルズへ!白一色の年代物の建物が高級感を漂わせている。ドキドキしながらティフィンルームへ。飲み物の注文を聞かれて、後は自由に何でも取り放題、食べ放題!サンドイッチ、オードブル、デザートなど豊富な品揃えに上品な盛り合わせ。味も抜群に美味しい!あ~これぞ至福のときだわ♪名門ホテルで時間を気にせず優雅な午後のティータイム。こんなに贅沢をしてる気分なのに、料金は20ドルくらいだった。あ~ん、アジアって、ス・テ・キ。

心地よい南国の風に吹かれながらコーヒーを飲んでいると、何だか体調が変だ!悪寒、熱っぽい、だるい・・・。「これって風邪かしら?いや、病は気からだ!」そう自分に言い聞かせて、しばらくアーケード内をウインドーショッピングする。当時、ヴィトンはラッフルズのアーケード内しか扱っていなかったらしく、道ですれ違う日本人達に「ヴィトンはどこですか?」と何度も聞かれた。あいにく、私達はヴィトンに興味がないので、「さぁ」と冷たくあしらった。

だんだん熱が上がってきたのか、物凄く気分が悪くなってきた。早めにホテルに戻り、友人から薬をもらって寝ることにした。どうやら、寒い時期に暑い国へ旅行をすると、体が対応できないようで具合が悪くなる事が多い。歳のせいなのかな?タイでは蕁麻疹が出てしまい、それ以来、蕁麻疹持ちの身体になってしまった。「私、アジアは合わないのかも・・・」熱にうなされながら友人につぶやいた。せっかくの最後の夜が台無しになり、友人には悪い事をしてしまったと反省する。

薬のおかげで熱も下がり体調もすかっかり良くなった。短かったシンガポールに別れを告げて、帰国便に乗り込む。機内では、友人とあれこれ思い出話をしながらやっぱりビール。病み上がりだろうとかまわない。私の血はアルコールで出来ているのだ。気分が良くなった頃に「今度はベトナムもいいよねぇ」と友人に言うと、「アジアって体に合わないとか言ってなかった?」とチクリと一言。あはは、やっぱり気にしてたのね・・・。帰国すると、猛烈な寒さが私達を襲った。これでまた体調を崩すんだよね、間違いない!木枯らしに吹かれながら、ランの花束を抱えて冬の東京を闊歩する私達。南国の思い出も凍りつきそうだった。ヒュゥゥゥゥ~










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